いよいよ迎えた2015年最終第6戦、聖地、鈴鹿サーキット。
この鈴鹿では、毎戦走っていた木曜スポーツ走行枠が無く、金曜日の占有走行からスタートしました。
3時間しかない占有走行枠でしたが、相次ぐトラブルが発生し、限られた走行時間がさらに限られたものに。
しかし、チーフエンジニアが作ったベースセッティングは全く問題無く、今回もサーキットにフィットし、マシン的にはマッチングしにくいこの鈴鹿サーキットでも予想を上回る状態で占有走行を終えました。
トラブルがレース中に出ないためにもメカニックのメンテナンスが夜まで続きました。
土曜日:予選
昨年はWTCCとの開催で予選が無かったために今年どれだけのタイムが出せるのか…あくまでシミュレーションとの戦いでしたが、それさえも超えるタイムを全てのドライバーが刻みます。
特にスロースターターのAドライバー加藤が1周目にベストタイムを記録し、2周目もほぼ同タイムでわずか2周で予選を終わらせ、決勝に向けてタイヤを温存。
Bドライバー近藤は相変わらずのマイペースながら、いざって時に決めてくれて貫禄のチームベストタイムを記録。個人的な意見として強いて言えば、もう少しイケたのでは!?と期待してしまう。
Cドライバー堤は、月曜日に初めて鈴鹿を走ったとは思えないほどの順応力をみせ、さすが若手と言わんばかりに走るたびにタイムを縮め、両ドライバーと遜色ないタイムを刻む。堤には決勝を想定した状態だったので、非常に有意義な時間となった。
結果、今年ベストグリッドタイとなる11番手を獲得。
しかも上位とのタイムも差が少なく、堤が出してくれた決勝想定のタイムもいいので、決勝では面白い展開が出来そうだ。
日曜日
占有走行から激しいクラッシュが数台あり、エスケープゾーンが狭いこの鈴鹿では決勝でも荒れるのでは!?という予測も含め、SC(セーフティーカー)が出た時の対応なども話し合い、数通りの戦略を組みました。
スタートドライバーはAドライバー加藤。
スタート直後、土曜日より気温が下がったこともあり、タイヤに優しくなり、予選で下位にいたFFホンダ勢がストレートスピードを武器に捲し立ててきます。さすがにこれを抑えるに至らず、いつくかポジションダウンを余儀無くされます。
スタートから40分が過ぎた頃、130Rクリップ付近にバーストした大きなタイヤ破片(デブリ)が散乱したために始めてSCが入る。
真っ先にピットインを指示し、Cドライバー堤にドライバーチェンジ。そして給油をしてピットアウト。13位から6位までジャンプアップする。これにはさすがのメカニック様と脱帽。
しかし、堤は交代してわずか計測1周を走行したところで、130R立ち上がり〜シケイン手前で大きなクラッシュが起きて、再びSC!
しかししかし、3時間レースの残りは2時間6分。
1人のドライバーの最大運転時間は2時間。
まだピットには入れない。
最終スティントを任せる近藤にはいつでもイケるよう準備をお願いする。
SCランが1周したところで、まだ事故処理に時間がかかりそうな状況。
2周目…残り2時間1分…。
タイミングが悪い…。
そしてSCラン3周目にピットイン。
タイヤ交換と給油をし、近藤にチェンジ。
またしても近藤にはロングランをさせてしまう…。
しかも、コースに復帰した場所が悪く、ほぼ1周のロスをすることに…。
そしてガソリン満タンで重いマシンながらロスした分を取り戻そうと懸命にベストタイムを刻み続けてくれた近藤は、一時7位まで順位を上げるが、またしてもSCが入り、前を走るマシンとも差がなくなったが、後続とも差がなくなり…結果8位でゴール。
人間欲深く、去年は8位で喜んでいた自分はもう今年はおらず…もっと上位でいけたレースだったことを反省。
全てはSCでのタイミング。
高い授業料を払った気がします。
ただ、TCRのFacebookにもある通り、昨年の参戦開始から12レース全てに完走していることには驚かされます。これはチーフエンジニアを始め、メカニック、全てのチームスタッフが造ってくれるマシンだからこそ。全てに感謝します。
ただ、欲深く…あそこをこうしたらモットこうなるのでは…など、いくつものアイデアが湧いて止まらない…。
あっという間の一年でしたが、チームはより強くなり、マシンも相当なアップデートを繰り返し、戦える体制になりました。
今年は、昨年のほぼ倍近いポイントを獲得できたことがその全てを証明してくれています。
ランキングは「9位」。
まだまだ進化できます。
皆さまからの変わらぬ応援とご支援をしっかりと受け止め、充実したオフシーズンを過ごし、来シーズンへと向かっていきます!
応援頂いたお客様、スポンサー様、チームスタッフ、RQ、TC CORSEに関わってくださった皆様、今年もありがとうございました!!
滑川 健 (チーム監督)
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